IoTの波
突然だが、僕は本が好きだ。特に中学生のUEDは、本の虫になっていた。
中学校に入って早々図書委員という影キャグループに属し、四天王と呼ばれる謎の3年生から「お前は同じ匂いがする」と言われ様々な事を学んだ。
様々と言っても図書館業務の貸出業務が殆どであるが、毎日のように貸出業務をこなす中で僕は悟りの境地を切り開いた。
誰よりも早く貸出記録のスタンプを“押す”。
陸上部に所属していた僕は、速さに定評があった。
いつの間にか四天王たちのスピードを超えていた。
四天王との別れの日は、今でも思い出すだけで涙なしには語れない。
「この学校の蔵は、お前にしか任せられない」
この一言だけだった。
そうして図書委員の実権は僕になった。
中学2年生になりスタンプ押しのスピードが音速を越えようとした頃、事件は起きた。
図書の貸出カードが電子化された。
スタンプ押しという作業が無くなり、バーコードを読み取るだけで貸出を行えるようになった。
四天王から受け継いだ技術はIoTによって失われた。
あの誰よりも早く、押されたカードは全て感動したと言われるあの技術はもう帰ってこない。
IoTの波に過去の技術は失われる。
本当にそれがいいのか、よりよい世界は生まれるのか。
今一度考えて見るべきではないか?問題提議をしてこの記事は終わりにする。
ちなみにこのスタンプ押しの技術は無くてもより良い世界が生まれるであろう。